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「京都芸大」論争の行方

母校の京都造形芸術大学が、2020年4月から「京都芸術大学」に名称変更したという。

 

 

 

…やったな

 

 

正直そう思った。

 

 

 

 

昨年末に「京都芸大」論争として一時期話題になったが、その後どうなったのか気になっていた。

おそらく法廷バトルは進行中だろうが、当初の予定通り4月1日に変更した模様だ。

 

私の時代だと「京都芸大」と言えばもちろん京都市立芸大。

関西地方の美大芸大を目指す受験生にとっての憧れの的だ。

「市芸」「京芸」「京都芸大」といった略称で親しまれ、京都造形芸大は「造形大」「京造」「造形」などと呼ばれていて、その区別はハッキリしていた。

 

 

しかし今後、未来はどうなっていくだろうか。

 

 

 

「造形大」出身の私にとっては、そんな母校の名称変更は”メリット”でしかない。

 

今はもちろん母校に感謝しているし、造形大で本当に良かったと思っているのだが、当時第一志望の「京都芸大」に落ち、すべり止めの「造形大」に入学して若干の「学歴コンプ」を抱えていた身分としては、名前だけでも、あの憧れの「京都芸大」に近づいた気がしてならないのだ。

 

結局のところ、「最終学歴どこ?」と聞かれた時に嬉々として「京都芸大です!」と言いたいだけの浅はかな人間であることは否めないのだが、そんな見栄っ張りで薄っぺらい「学歴厨」にとって朗報なのは間違いない。

 

造形大と言えば、秋元康をはじめ各界の著名人を講師陣に迎え、AKB48の衣装を手がけたり映画学科を新設して人気俳優を輩出したりと、熾烈な大学間競争を勝ち抜くために独自の路線で話題を集めてきた。

 

今回の名称変更騒動も然り。

 

さも炎上商法のようなやり口と言えなくもないだろう。

 

 

造形大に失うものはない。

 

かつて洋裁の一専門学校だった時代から増設と名称変更を繰り返してここまで来た。

それが今や天下の「京都芸大」を名乗るまでになった。

 

そう、明らかに「京都芸大」ブランドを狙っていると言っていい。

略称について、おもてだっては「瓜芸」を推奨しているが、そんなものは詭弁に他ならない。

 

そして裁判の争点は「京都芸大」という略称・愛称がどれだけ一般に認知されているかにかかっているらしいが、これで負けると名門の名に傷がついてしまう”本家”に対し、”挑戦者”は痛くも痒くもない。負けても元に戻るだけだ。

 

もちろん、そんなことで大学の価値が落ちることもなく、逆に挑戦者が勝ったとしても、その本家の恩恵を受けようとしている時点で本家を超えることもないのだが、いかんせん後味の悪さは残ってしまうだろう。

 

 

 

 

長くなってしまったが、結局何が言いたいかと言うと、そんな何事も「かたち」から入って挑戦していくスタイルが、私は好きだということだ。

 

 

 

 

これからもさらなる進化を遂げる「京都芸大」に注目していきたい。

 

 

 

 

 

 

学校法人瓜生山学園 京都芸術大学
https://www.kyoto-art.ac.jp/