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やさしい似顔絵

ホームページを少しリニューアルしました。

 

そして今後は「やさしいにがおえ」というキャッチフレーズも使って活動していきたいと思っています。コンセプトは「デフォルメをし過ぎない安心感のある似顔絵」です。

何故僕がこういうネーミングをつけるに至ったかと言うと、
やっぱり似顔絵って、どうしても特徴をしっかりつかんでオーバーに面白おかしく表現する、というイメージが世間には染みついていて、それはそれで好きな人はいいのですが、でも反対にそういう似顔絵は絶対イヤ! 描いてもらったけどショックだった! という声もよく耳にするのです。

 

似顔絵を始めて約9年、僕自身、今まで直接的なクレームをもらったことはないですが、技術不足と心の未熟さゆえに、お客さんをひそかに傷つけてしまっていた、なんてことも実はあったのでないかと思います、というか確実にありました。

似顔絵は特徴を捉えてなんぼですが、しかし捉えすぎて相手を傷つけてしまうこともあります。良かれと思って、喜ぶと思ってオーバーに描いたこともあります。

しかしそれはエゴでした。

僕にとっては何万人描いたうちの一人でも、その人にとっては初めてだったり記念すべき一回だったかもしれないわけで、似顔絵を楽しみにして来てくれて、ドキドキやワクワクもある中で、嫌な思いをしてしまったら、もうそれは倍以上のガッカリでしょうし、その人はもう一生似顔絵には来てくれないでしょう。

そう考えると、本当申し訳なかったと懺悔したくなります。

 

特に日本人は繊細で外見にコンプレックスを抱えている人が多く、僕もたっっっくさん抱えているので(笑)、そんな人たちの気持ちがよく解ります。そしてだからこそ、周りからどう見られているかすごい気にするし、どう描かれるのかそれはもうドキドキなのです。

実際、僕も練習などで描かれた経験はたくさんありますが、やっぱりオーバーにブサイクに描かれるよりも実物より格好良く描いてもらった方が素直に嬉しいものです。

ひどく描かれることを覚悟して、実際やっぱりひどかったなーと落胆するよりも、お、意外にイイじゃん、まだまだ捨てたもんじゃないなって思う方がよっぽど気持ちいいです。

しかしそんな思いとは裏腹に、やはりオーバーに描いた方が周りの反応がいい場合も多く、でも本人は不満そうで、逆に控えめに描くと「ちょっと違う」「よく描きすぎ」など勝手なことばかり言われます。

プロなのでそういった意見は甘んじて受けますし、それを糧にさらに練習に励みます。

 

目指すべきところは、なにより本人がもらって嬉しい、そして周りも一緒に喜んでくれるような絵です。

そのためにどうしたらいいか、もちろん技術もめちゃくちゃ大事なのですが、やはり「気持ち」も同じように大事なのではないかと思うのです。

 

「思いやりや優しい気持ちを持って描くこと」

 

これは僕にとってのポリシーや会社理念みたいなもので、こういう気持ちを持って描いていますという意思表示です。

 

コンプレックスだと思っている部分をどう表現するか、これはその都度悩みますが、一生かかけて考えるべきテーマです。

口ではそうではないと言っているが、本心はどうだろう?

見えない部分に思いを巡らせ、相手の気持ちを考える。

人として当たり前のことですが、この当たり前を当たり前にやること。。

 

まだまだ道半ばであり、心も技術も理想に追い付いていない部分もあるとは思いますが、これを僕の所信表明として、ここに記しておきます。

よろしくお願いいたします。